ちがい~学校編~

ちがい~学校編~

チリと日本の高校にはたくさんの違いが存在する。
いいところも悪いところも、超主観的且つ私の学校の場合という限定された範囲になってしまうが紹介する。

学校
公立か私立に通うことが一般的だが私立>公立の構図。
私の通うcolegio padre albert hurtado は私立だが私立の中では平均的な学力(ならしい)もちろん上も存在し、私の町ではあるドイツ系の私立高校はとても学力が高く、それに比例するように学費も高い。私立の学生に言わせると公立は生徒も荒れているとのこと。
学校は基本的に6歳~18歳までが同じ校舎で勉強している。それに伴い規模は小さい。クラスの人数は日本の学校のそれと変わらないがクラス数は一学年2クラスが普通だ。
もちろん途中で転校する人も多い。兄弟が同じ学校に通うことがほとんどなうえに生徒全体の人数も少なく長い間同じ学校に在籍するので他学年とのつながりが深い。

テスト
テストは教科ごとに日にちが二週間前くらいに言われる。この成績が大学受験に直結するというのにそこまでピリピリしていない。テスト勉強は、意識の高い生徒は3日前、低い生徒はノー勉だ。日本の赤シートを使ったがちがちの暗記学習は全く見られず、テストというよりも小テストのように感じられた。テスト中にお菓子を食べる生徒も山ほどいる。そして点数は発表されることもある(やめてほしいです笑)

先生
先生はイメージ通り距離がとても近い。男女関係なくハグをずっとしている上に生徒が先生の連絡先を持っていて質問や提出をスマートフォンで行うことも多い。テスト前に先生からパワーポイントのデータをもらって勉強することもある。距離が近いので何かあると先生に気軽に相談できる環境である。このような関係は日本にはなかなかないので、素晴らしいと思う。

学校行事
行事のある時は私服登校が多い。スポーツフェスタでは、日本のように競技するのではなくダンスをしたり筋トレタイムトライアルに挑戦したりと超自由。友達とずっとおしゃべりしていてももちろんOK。学校行事のためにクラスで団結!という概念は全くない。


部活動
部活動はなく、学校ごとのスポーツクラブや校外のクラブチームに加入し週に二回ほど活動することが多い。
男子はサッカー、バスケ、バレー、柔道、空手、卓球、フットサル
女子はバレー、サッカー、柔道、空手、ダンス
が主流。水泳などは地域によって異なる。
時間は放課後の二時間。これも地域によって違うが、私の街では夜(8時や9時)2時間活動するのが一般的である。年齢が下がるほど時間帯も早くなる。送り迎えは親や友達の親がしてくれ、それが当たり前である。コーチはコーチが仕事なので親身に教えてくれる。
チリのクラブの面白いところが、学校のある時間に平気で遠征をおこなうところだ。結果的に各学校の生徒が授業を抜け出し見に来るのでアメリカの高校映画のワンシーンのようになる。部活動とは大きく異なり、つらい筋トレに未だ出会ったことは無い。スポーツを楽しむことが第一のようだ。そのせいか基礎練習が少ないので小さい頃から練習している子ならまだしも初心者の上達が日本よりも遅い。

生徒間売買
生徒の中には家からお菓子等を大量に持ってきて売りさばいている子がたくさんいる。これは小遣い稼ぎであったり親から頼まれている場合もある。教室でものを売り買いする声が聞こえるのは新鮮だ。
中にはタバコやマリファナ(合法)を売り買いしている人もいる。

受験
高校三年生に相当する学年になると塾に通いだす人が多くなる。しかしクラスの半分もいない。チリの大学に合格するためには日ごろの成績と学校の偏差値、日本でのセンター試験にあたるpsuのスコアが必要だ。しかし、ストレートで大学に行く人が大半を占めるわけではない。一年間学費を稼ぎながら超緩い浪人をしたり、留学したり一年好きなことをしたり、、、選択肢は様々だ。
日本と同じように大学説明の時間がある
ポレロン
チリの高校には、最終学年になるとクラスでパーカーを作る。
日本でいう、体育祭のクラスTシャツの年間バージョンだ。クラス全員で話し合いながらデザインを決めていく過程はとても大変だが、その甲斐あってかどのクラスの生徒も素敵なポレロンを着て登校している。街では各学校の最上学年がそれぞれのものを着ているので楽しい。

校則
校則の厳しさは各学校によって異なるが、日本と比べるととても緩い。
ピアス、髪染め、化粧はもちろんOK(禁止にしていても先生はスルー)
女子生徒はスカートのほかにズボン登校も可能で、冬場はそのほとんどがズボンで登校する。服装も高学年になるほど自由になってくる。ワイシャツを着ないでパーカーであったりポレロンであったり、、、
そもそも学校指定のブレザーを持ってない人がたくさんいるので校則はあってないようなものだ。

授業
授業中の立ち歩きや食事は全く怒られない。スマホを使用していても特に何も言われない。授業はチャイムが鳴って10分から15分後に先生が教室に来る。教室に来たからと言ってすぐに授業が始まるわけではなく先生が丸付けや準備をしていてなかなか始まらない。
日本とは比べ物にならないくらい授業の進度は遅い。そして教科書をほとんど使わない。授業は先生の配るプリントかパワーポイントの板書で代用している。
内容に関してはすべてにおいて日本のほうがレベルの高い学習をしているといえる。

英語
話せる人と話せない人の差が激しい。クラスに2人くらいペラペラの生徒がいるが他は日本の中学一年生レベルの英語力だ。(高校三年生に相当するクラス)
授業は発表形式のものが多いがペーパーテストのレベルは、生徒の英語力と比較すると高いと思う。日本のように文法を固める様子は全く無い。英語とスペイン語はとても似ているので学習は簡単なはずだが本当に英語力が無い、、、

数学
数学のレベルは低くない。しかし効率が悪いように感じる。日本は何度も復習するなど反復と回数に重きを置いているが、こっちではゆっくり一問解いて終わりだ。

化学
レベルは低くないが日本のような複雑な計算式などはない。高校一年一学期の化学基礎をイメージするとわかりやすい。そして速度がとても遅い。
しかし留学生からするととても難関でなかなか辞書で単語が調べられない。

生物
レベルは低くないが実験内容などは日本の中三~高一に相当。化学と同じように辞書に載っていない単語がとても多いので留学生には理解しづらい教科である。グループワークや発表が多く、黙々と考えるというよりもクラスメイトと答えを探すクラスだ。ちなみに今、dnaについての学習をしている。


歴史
チリは歴史がとても浅い国なので歴史をぎっしりというよりも、日本でいう近代史・政治経済に近い。授業はアクティビティが多い。これもグループワークが半分を占める。単にプリントを埋める、質問に答えるのではなく自分で今までの学習から言葉と事実を拾い文章を作る、という回答法がほとんどだ。プレゼンテーションも多く、生徒の主体性を感じられる。

国語(スペイン語)
最上学年で受験(psu)を控えているためその対策がほとんど。留学生からすると超難関。南米ではスペインよりも日常生活で用いるスペイン語の語数が圧倒的に少ないため普段の生活やそこで取り入れる情報では見聞きしないような単語が多く使われるのが特徴だ。

哲学
日本でいう倫理だ。プラトンやソクラテスなど。内容は日本での倫理とほとんど変わらないがもちろん進度は遅い。しかし、日本は無宗教でこれらを客観的に学習している(言い換えれば他人事)がキリスト教が国民の大半を占めるチリではより自分たちの身になって学習しているようにも感じる(あくまで感想)


体育
日本の体育と比べると筋トレが多いがまじめにやっている人はほとんどいない。これが違いだ。そして女子にとても甘い。腕立て伏せは膝をついてOKで女子は全員膝をついている。シャトルランの計測ではチリ人女子の一位が78だ。男子は100越えもいたが学年で一人。半数は80を超える前にギブアップ、、、
何か一つの競技を2か月くらいかける日本とは違い一回一回変わることも多い。そもそも授業が15分間走っただけで終わることもある。

選択授業
・音楽or美術(私は音楽を選択)
・化学生物or数学or人文学(私は人文学を選択)
→希望の学部次第

音楽
合唱が全くない。グループを作って練習し歌と楽器で発表する、の繰り返し。楽器の種類も数も少ない。しかしチリでは多くの家庭がギターを持っているため、必ずと言っていいほどバンドにひとつはギターがある。

人文学
人文学のクラス選択者で行ったマプチェ(先住民)発表の会

文学
エッセイを書くこともあればただ先生の話を聞いてるだけのことも多い。グループワークは少なく一番日本の授業に似ているといえる。
正直どこが文学なのかあまりわからない内容も多い。

地理学
先生の講義を聞き、問題を解き、グループでプレゼンテーションなど様々な授業形式をとる。内容的にも留学生向け。
プレゼンテーションの割合が多い。



文化の違いに関しては、発信することが自分の留学テーマの一つでもあるので生活・考え方・恋愛などを今後紹介するので乞うご期待!


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